「5課」カテゴリーアーカイブ

みんなの日本語教案5課「へ行きます、来ます、帰ります」

■(A-1)〔場所〕へ行きます、来ます、帰ります
・ゴイ確認「行きます、来ます、帰ります」
・助詞「へ」+行きます、来ます、帰ります
・どこ「へ」→どこ「も」行きませんでした

■(A-2)〔乗り物〕で行きます、来ます、帰ります
・何「で」
・歩いて(×:歩いて「で」)

■学習項目勘違い
当校では「練習A」の項目ごとに文型を入れていくのですが、
はじめて教案を作った際、5課の導入項目1は「行きます」だと勘違いし、
「行きます」だけで授業展開をしてしまった。
同じく練習A-3で「来ます」、A-4で「帰ります」を導入。

みんなの日本語では学習項目がわかりづらい課があるので、
「翻訳文法解説」や「教え方手引き」、「教え方の秘訣」で確認されると
間違いがないです。

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■「来ます」の説明
さて5課は2日で教えることになっています。
1日目に「語彙導入、練習A-1、練習A-2」を行い、
2日目に「練習A-3、練習A-4、会話」を行います。

みんなの日本語を教えはじめ、3周ほど経過しましたが、
うまい具合に5課1日目は担当することがありませんでした。
「行きます、来ますの違い」はなんとなくややこしい気がしていたので、
はじめの頃はラッキーと思っていましたが…

1年経って幾分余裕が出始め、
みん日前半は助詞で混乱しないよう注意しながら教えつつ、
今回5課前半の担当が回ってきました。

まずは助詞の「へ」。
ただその前に「行きます、来ます、帰ります」を上手に入れなければ…

「行きます」は未習ながら基本動詞としてこれまでも少し紹介済み。
「帰ります」は国、うち→「帰ります」で教えれば、それほど困らないと思われ。
問題は「来ます」をどうやって入れていくか…

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■「視点」を使って上手に説明していく

「視点を使うとうまく説明できますよ」

私の指導役として付いた先生。雑談めいた話をしていたとき、
こんなアドバイスをくれました。

それからいくつかの教本を読み、
「日本語の教え方ABC」に視点を絡めた説明がありました。
なるほどと思いつつ、「視点だけではすべて網羅して説明しきれないのでは?」
と思ったので、下記まとめてみました。

■1.今いる場所は「来ます」

おそらく学校で授業していると思うので、
「学校へ来ました」という文が使いやすいと思います。
これが「学校へ行きます」だと非文となってしまいます。

ただ家にいるときは「学校へ行きます」になるので、
この違いをまず説明しようと考えました。

これは「家、学校、人形」の絵カードを用意して、
T:朝です。学校へ行きます(人形を動かす)
T:9時です。学校へ来ました。「行きます」は×です。

このように紙芝居をすれば、この「来ます」は入るだろうと思います。
同様に「日本へ来ました」を人形+世界地図上でやって、
確認も取ってみようと思います。

■2.「話者から離れていく→行きます」、「話者に近づく→来ます」

これがいわゆる「視点」を使った「来ます」の説明になるかと思います。
上の「来ます」は当人1人の動きでしたが、
こちらの「来ます」は相手を想定しています。

学生1人に協力してもらい、
T:Aさんはあそこへ行きます(Aさんを移動させる)
T:Aさんはここへ来ます(Aさんを移動させる)

こちらは教室内に郵便局、銀行、病院などを作ると、
幾分動きのある活動にできるかもしれません。

視点(教師)から見たときの「行きます、来ます使い分け」を練習し、
教師役を学生に変えて言わせれば、理解の確認が取れると思います。

■3.英語の「I’m coming」との違い

英語のcomeとの違いがよく参考書にも出ています。
いわゆる意向者視点とでもいいましょうか…

現在ネパール、ベトナムの学生が多く、
彼らの母語ではどのように言うかわかりませんが、
一応触れておきます。

「2」の活動にプラスして、移動させられる学生に
「行きます、来ます」を言わせれば、「I’m comingとの違い」が
浮き彫りにできると思います。

(教室内想定空間)
T:Aさん、郵便局へ行きます(Aさんを移動させる)
T:Aさん、ここ(学校)へ来ます。
T:Aさん、言います。「私は学校へ…」
S:私は学校へ…来ます」
T:「来ます」、バツです。「行きます」、マルです。

もし「来ます/I’m coming」が出れば、
ホワイトボードで説明します。

この他にも「くらべてわかる初級日本語表現文型ドリル」には
「行きます、来ます」について2つほど説明があります。

■4.今いる場所ではないが、「自分の領域(家、国)」に友達を招待する。
■5.今いる場所ではないが、「これから行く場所」に来てもらう。

これらに「話し手以外」の要素も加わるので「来ます」はややこしいですが、
「初級5課の時点でどこまで触れるか」を考えると、
「3」までで十分かなと現時点では思っています。

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■能試留試ではどのように出題されるのか

N5N4レベルなら「助詞へ」あたりも出されるかもしれませんが、
N3N2N1となったときにどんな問題となって出題されるのでしょうか。

正直まだ問題をピックアップできてないし、
そもそも「この単元からは出にくい」のかもしれません。

もちろん基本的な移動動詞となるので、「理解せずは論外」となるのですが、
「能試留試には出ない」となれば、サラっと触れるだけでいいのかもしれない
とも思っています。

「くらべてわかる初級日本語表現文型ドリル」にも
「来ますのややこしい問題」が載ってて、聴解に載せたら面白そうですが…
今後意識しながらピックアップできたらと思います。

それでは下記教案です。

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■5課語彙導入
(PC絵カード提示→リピート)

T:今日は何曜日ですか。
S:○曜日です。
T:そうですね。みなさん、朝です。ウチです。

T:学校です。830です。行きます。自転車です。
T:Aさん、自転車ですか。
S:いいえ…
T:そうですね。電車です。電車、駅、歩きます、学校です。

◇PC:学校
◇PC:行きます
◇PC:自転車
◇PC:電車
◇PC:駅
◇PC:歩きます

T:Bさん、飛行機ですか。新幹線ですか。
S:飛行機です。
T:そうですか。

◇PC:飛行機
◇PC:新幹線
◇PC:バス
◇PC:タクシー
◇PC:地下鉄

T:855です。みなさん、学校です。来ました。

◇PC:来ます

T:1230です。みなさん、さようならです。
うちへ…帰ります。

◇PC:ウチ
◇PC:帰ります

T:ウチへ行きます、バツです。Aさん、国はどこですか。
S:ベトナムです。
T:そうですね。私/先生はベトナムへ行きます、マルです。
Aさん、ベトナムへ行きます、バツです。
ウチ、みなさんの国は「帰ります」です。

T:午後です。行きます。スーパーです。

◇PC:スーパー

T:ウチへ帰ります。

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T:みなさん、日本へ来ました。○年○月、日本、来ました。
T:飛行機ですか。船ですか。自転車ですか。

◇PC:飛行機
◇PC:船
◇PC:自転車

T:Sさん、日本、来ました。友達いっしょ(ジェスチャー)ですか。
一人ですか。
S:友達です。
T:家族、日本ですか。
S:いいえ
T:彼/彼女、日本ですか。
S:いいえ

◇PC:人
◇PC:友達
◇PC:家族
◇PC:一人で
◇PC:彼
◇PC:彼女

T:みなさん、日本へ来ました。○年○月、日本、来ました。
2015年、今年です。2014年、去年です。

◇レアリア:カレンダー(都度利用)

T:みなさん、日本へ来ました。7月ですか。8月ですか。
S:7月です。
T:そうですね。先月です。今、8月です。今月です。

◇板書
・2014、2015、2016、?
・去年、今年、来年、何年
・7月、8月、9月、何月
・先月、今月、来月←「がつ」じゃありません。「げつ」です。

T:(カレンダーを使い)「週」です。今日は○月○日です。今週です。
先週です。来週です。

◇板書
・先週、今週、来週

T:(カレンダーを使い)11にち、12にち、13にち、14よっかです。
~31日、1~10日へ。

T:みなさんです。

◇PC:赤ちゃん

T:Sさん、何月何日ですか。
S:○月○日です。
T:そうですか。Sさんの誕生日は○月○日です。

◇板書:たんじょうび
◇板書:いつ

S1さん、誕生日は何月何日ですか。いつですか。